勝どきマリーナでの操船セミナーに参加してみました。

船舶免許

違った環境で操船練習をするとまた新しい発見がありそうに思えて、東京湾の北西あたりに面する勝どきマリーナの操船セミナーに参加してみました。


小型船舶操縦士免許を取得したからには船を運転できるようになっておかないと意味がない気がするのと、 先日に 葉山マリーナでの操船セミナーに参加してみた ときに、違った環境で操船すると新しい事柄に巡り合わせられる感じがして良い練習になったので、今回は 勝どきマリーナ で開催された マリンライセンスロイヤル さんの操船セミナーに参加してみることにしました。

今回の日程

今回の操船セミナーは 2021年1月17日に、次のようなスケジュールで行われました。

時間 内容
14:00 〜 16:00 操船、離着岸

担当してくださったのは清野さんで、爽やかで自然な感じ、自信をつけさせるのが上手そうな印象を受ける先生でした。参加者は自分の他に2名がいらして、これまでの操船セミナーと同様、交代で操船していく感じになりました。みんな1回くらい操船を体験しての参加のようです。

今回は2時間と短めの操船セミナーだったので、これまでの3時間以上のものと比べてどんな感じになるのかも楽しみのひとつでしたけれど、終わってみれば思いのほか、いつもの操船セミナーみたいな充実度を感じる少し不思議な時間となりました。2時間の操船体験でも、それなりに良い感じに練習することができそうです。他の3時間の操船セミナーと比べて、ロープワークや船体点検が今回は行われなかったり、離着岸も最小限な感じだったので、総合的な練習よりも操船にフォーカスして練習したい人には特に向いた操船セミナーのように感じられました。

勝どきマリーナ

今回の会場である「勝どきマリーナ」といえば、以前に参加した シースタイル体験試乗会 で訪れたことのあるマリーナでした。

そのときにも10分くらいはこの近辺を操船したことがあったのですけれど、 それが船舶免許を取得して最初の操船だったのもあって、 あの時はマリーナが海のどこにあるかにも気が回らなかったので、 もういちど訪れてみたかったところでした。

そうして改めて勝どきマリーナの場所を確認してみると、東京湾でも羽田空港の北側に位置していて、 これまでに体験したことのある D-marina とはぜんぜん違う方向から羽田空港にアプローチできる感じの場所でした。勝どきマリーナは、すぐに開けた海に出られたのも印象に残っていて、改めて訪れてみるのがとても楽しみな感じです。

準備

天候

この日の14時から16時の天候を 海天気.jp で調べてみると、羽田沖の天気は曇り、風は東北東から 2.0m くらいの風が吹いて、時間とともにわずかに強くなっていく感じの予報でした。潮の満ち引きは、ほぼ低潮の時刻から始まって、低潮と高潮のちょうど平均くらいの時刻に終わる様子です。波は南東から 0.2m とのことでした。

風や波の高さがどれくらいの体感になるかはまだ想像がつかないですけれど、なんとなくこれくらいなら大丈夫なんじゃないかという感じがしつつ、とりあえず風向きも東北東なので、これまでの操船セミナーで聞いてきたことを踏まえると「羽田空港くらいまでなら良い感じに陸に遮られていそう」みたいに予想してみたら良い感じなのでしょうか。

実際のところは、全体的に大きな波が気になることもなく、穏やかな印象だったような記憶が残っています。 ただ、今回の船は4人がそれぞれ座れる席があって、その区画の前と左右がしっかり覆われていたので、 波風を直接感じられなかったのが影響しているのかもわかりません。

服装

気温は予報で 8 ℃ くらいと、普段なら普通な冬支度くらいで良さそうに思えましたけれど、相模湾だとどうなのだろうと少し迷いましたけれど、とりあえずこれまでに操船セミナーへ行ったときと同じ感覚で衣服を揃えておくことにしました。

上は普段の冬の装いにインナーシャツを1枚重ねて着る感じにして、下は少し迷ったのですけれど、風を通しにくいズボンとその下に1枚長い丈の下着を着るようにして、それ以上は重ね着しないでおいてみました。船に乗るときはこれに加えて、オムニテックの雨具上下をいつも着ていて、これでこれまで船の上で寒さが伝わってくることはない感じでした。

そうして準備した今回の服装でしたけれど、 雨具はこれまで舞ってくる水しぶきで濡れないために着ていたのもあって、 今回の船は運転席まわりが広く覆われる作りになっていたため、 これなら水しぶきの影響もほとんど小さそう。 そう思って今回は、念のためとして雨具は上着だけを着ることにしたのですけれど、 そうしてみたら足が少し寒さを感じる印象でした。 冬の船ではやっぱり下側も、風を通しにくい雨具を着るか、普段より1枚は多く重ね着しておくのが安心かもしれません。

集合

今回の操船セミナーの集合場所は、勝どきマリーナが入っている建物の3階にあるマリンライセンスロイヤルの事務所の一室でした。

最初に自分は、こちらの建物にマリンライセンスの事務所があることを知らずに訪れて、勝どきマリーナの受付を訪れてしまったのですけれど、勝どきマリーナのスタッフの人が丁寧に案内してくださいました。そうして訪れた事務所の一室には既に清野さんがいらして、伺うやすぐさま快く出迎えてくださったのがとても印象的でした。

ほかの部屋ではどうやら船舶免許の学科教習が行われていそうな感じで、同じように自分がマリンライセンスロイヤルで教習を受けた頃を少し思い出しては、少し懐かしいような心地がしました。

ロープワークの自主練習

今回の操船セミナー参加者は3名、その全員が揃うまでの間、教室内にあったロープワークの練習セットみたいなのを貸してもらえたので、これまでに教わったロープの結びをひととおりおさらいしてみましたけれど、とりあえずこうやって座学的に結ぶ分には大丈夫そうでした。

それにしてもロープワークは、実戦で結ぶとなると状況が微妙に違ってそれで結び方がよくわからなくなったりするので、こうして練習では結べたからといってなかなか油断のできないところです。

操船セミナー開始

開始時間になり、参加者も3名みんなが揃って、操船セミナーがいよいよ始まりました。今回の操船セミナーは、先生が参加者みんなの意向を踏まえて「レインボーブリッジ経由で羽田空港を眺め、時間があったら着岸練習を少ししよう」という計画になりました。

自分は昨年12月には船に乗る機会が持てなかったのでひと月ほど空いての操船練習でしたけれど、これまでに4回ほど操船セミナーを受けてきていたおかげもあってか、まだまだ繊細な操縦はできないものの、それなりには運転にも慣れてきたような感じでした。

ライフジャケット

そんな操船セミナーでは、最初にライフジャケットの着方を丁寧に教わりました。 膨張式の肩掛け型ライフジャケットが貸し出されて、それを身に纏うところからの始まりです。

着方としては、ライフジャケットを向き合う感じで持って、まずは今回のライフジャケットでいう『Marin-License Royal』と印字された側の肩紐に右腕を通して、リュックサックを背負うように、後ろ側に回して反対側にも左腕を通して身につけたら、腰のあたりのバックルを閉めて、紐の長さを調整して。上着を着るときはいったんライフジャケットを外して上着のさらに上から身につけるようにして。

ライフジャケットって、慣れればなんてことはないのでしょうけれど、最初のうちってこんがらがって着にくい印象が拭えないので、こうやって基本的なところを丁寧に教えてもらえるのは嬉しいように感じました。

出航準備

それから船に乗り込んで、出航待ちです。 今回は1つの桟橋の横に船が連なって係留されていて、桟橋から一隻を通過して次の船に乗り込むみたいな面白い体験でしたけれど、それもあって船が出られるようになるには少し時間がかかっていましたけれど、それでも先生は慣れた感じで手際良く準備を進めていました。そんな景色も真新しく思えます。

それからリモコンレバーの使い方をおさらいして。ニュートラルから最初のクラッチ操作は素早く、アクセルを操作するときは素早く動かすと暴走しがちなので根本を持ってゆっくり操作、そんなところをおさらいしてからいよいよ出航です。

レインボーブリッジ経由で羽田空港へ

隅田川を右側通行を意識しながら進んで間もなく海へ。速度を上げてしっかり滑走状態にして燃費と速度を向上させつつ、レインボーブリッジへと向かい、間もなく着いてそれを潜って通過します。ここまで順調に、良い感じに進んで行きました。周りの様子を窺いつつ、エンジンの回転数を調整しながら。

そしてそのまま、先生の言われるままに進路をとりながら、途中で運転を交代しつつ、船は羽田空港へと進んでいきます。途中途中、何かのたびに先生が和やかにいろいろ話を聞かせてくれて、航行中もリラックスしてのんびり過ごしやすいような印象がしました。

途中、浅瀬注意の看板を気にして安全のための距離を取ったり、大型船が作る引き波を慎重に越えたり、ときおりすれ違う船を意識して進路を取ったりしつつ。

そうして羽田空港の辺りまで行って、帰ってくる感じの道のりとなりました。

そんなふうにして運転してみる中で、自分もだいぶ、最初の頃よりはずっと、運転の感覚がわかってきたような印象でした。右舷標識や左舷標識を見かけたときに、GPS プロッターの画面を見さえすればですけれど、なんとなくそれがどこに対するものなのかみたいなものを意識できるようになってきたり、その対になっているもう一方の標識を探してみたり。進路を取るときにも、それっぽい良さそうな目標物を見つけることに意識が向いてきたり。海上を航行する他の船の進む方向や、停泊中かどうかについても、少しずつ察しがつくようになってきたような気配も感じたりします。

運転中の見張り

ところで自分が操船しているときに、こまめに周囲を見張りしながら自分が操船しているのを先生が褒めてくれたのですけれど、こちらは教習の賜物な印象がします。

見張りが特に大事という意識が教習のときに植え付けられたような気がして、まだ、見渡しているからといって不慣れにつき危険なものを十分に把握できている心地はしないものの、それでもこちらもだんだんとできるようになっているような感じがします。なんにしても、方向転換のときと停船するとき、航行中に周りを見渡す行動そのものは、良い感じに癖がついてくれているようです。

今はまだ形だけ真似している感も拭えないので、これからも引き続き、見張りにも慣れていきたい気がします。

大型コンテナ船

それと途中に先生が、コンテナの荷上げか何かをしている大型船を見に連れていってくれました。

船そのものが巨大なだけに、積まれているコンテナが小さそうにも見えるのですけれど、けっこう大きなものみたいで、規格統一されたそれがたくさん船に積まれて、手際良くクレーンで引き上げられている様子を観覧することができました。こういう光景を意識して眺める機会ってそうそうなかったので新鮮で、なかなか壮大でした。

大型船への接近禁止?

ところで、こういう停泊中の大型船にあまり接近してはいけないという海上のルールがあるとかどうだとか。

教習のときに「航行中の大型船に接近することは危険、不意に引き寄せられたりする」というのは聞いた記憶があるのですけれど、どんなルールがあるのかについては今に軽く調べてみても上手く見つけられませんでした。そんな感じでこの辺りに興味があるところでもあるので、引き続き気にしておきたい心地がしました。

大型船の情報

ところで、大型船には船の情報を発信する機械をつける義務がついているそうで、MarineTraffic というアプリなどを使うことで、その船の大きさなどいろいろな情報を見られるそうです。

着岸練習

そして帰り道の途中で、岸壁を使って着岸練習を少し行いました。

これまでの操船セミナーでは、着岸練習をマリーナの桟橋を使って行っていたので、こういう途中の岸壁を使って練習するのは久しぶりです。波風の強かった教習のときほどではないにせよ、マリーナでのときより船が流されていく感じがしたのは、少し懐かしい心地がしたりしました。

そんな着岸練習のとき、先生がコツを丁寧におさらいしてくれるのと合わせて、上手くいかなくてもぜんぜん大丈夫、フェンダーがあるから岸壁にくっついたところでぜんぜん大丈夫、コンディションの悪い岸壁だから上手く着岸できなくて当然、そんなふうに声をかけてくれて。実際にフェンダーを岸壁に当てて様子を見せてくれたりとかして、安心して練習できる環境を作ってくれたのがとても印象的でした。

フェンダーをぶつけずに静かに着岸したいときは少し遠目に寄せる感じで、最後にボートフックで寄せてあげるように心がければ良いのだとか。なんにしても、ゆっくりした速度で行うのが大切とのことでした。

そんなふうにして教えてもらって、先生の指導のもと、みんなそれぞれ2回ほど着岸を練習する運びになりました。これまでに何名かの先生に着岸の仕方を教えてもらって、みんなそれぞれ少しずつ操縦の仕方が違う印象でしたけれど、今回の清野さんが教えてくれた方法がなんとなくやりやすい、操縦していて焦りにくい、なんとなく初心者にとってはイメージを掴みやすい操船方法な印象がしました。

浜離宮

今回の操船セミナーは、最後にマリーナへと戻るついでに 浜離宮恩賜庭園 に寄って終わりとなりました。

浜離宮に面した水路への出入り口は小さいので、大回りしてしっかり先が見えるように注意する必要があるとのことでした。そして今回は水門を潜るときに、警笛を軽く鳴らして進むようにされていました。

浜離宮とは

ところで「浜離宮」というのは、正式には「浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)」と呼ばれる公園とのことで、東京都中央区に位置する入園料の必要な公園のようです。もともとは、宮内省管理の離宮だったものが、公園として開放された場所なのだとか。

船では外から眺めるだけでしたけれど、園内は広めで売店や休憩処もあるらしい感じで、陸から訪れてみるのも良いかもしれません。

まとめ

そんな感じで今回の操船セミナーは、これまでに自分が参加した中では短い時間のものでしたけれど、体感的にとても充実した良い感じのセミナーでした。 初心者な気持ちのままでいながら、終始安心して操船を体験できたのが特によかったような心地がします。苦手意識の強かった着岸練習も、先生が安心感を植え付けて上手に導いてくれたおかげで、これから先、だいぶ楽に構えて臨めそうな予感がします。

それと、今回の操船セミナーに限った話ではないですけれど、マリンライセンスロイヤル卒業生限定というのもなんかいいなと感じるひとときでした。同じ教習場所の記憶を共有できたり、教習を受けた先生のことを知っていたり、そういう共通の話題で親しめるところも、安心感のある操船練習につながるような心地がします。


今回みたいな操船を体験してみたお話や、小型船舶免許を取得したときの体験記などは、これからも順を追って記していくので、興味があれば眺めてみてください。